フランス語の履歴書ってどう書くの?

ここではどのようにフランス語の履歴書を書くのか、そして採用担当者にとってどのような履歴書が魅力的なのかを紹介します。フランス語の履歴書の書き方にはいくつかのルールがあります。しかし、大事なのは文字通りにその決まりを守ることだけではなく、採用担当者が何を求めているかを理解した上で履歴を作成することです。一般的に、採用担当者の仕事を最小限にし、数秒で魅力的な履歴書であると分かってもらうことが大事です。

 

様式と一般的なアドバイス

日本の履歴書と違い、フランスの履歴書は個性を出さなければなりません。様式や色使いは自由に選択することができます(あまり派手過ぎない程度に)。グラフィックデザイナー等の一部の職業ではさらにオリジナル性を出すこともできます。要するに、デザインは応募者の個性と企業が求めるものと一致することが大事です。

このように、フランスでは個性に重きをおきます。もちろん協調性も大事ですが、自立性や、環境に対する批判的精神を持つことも要求されます。履歴書を通して、採用者にどのようにこれまで得てきた知識や経験を活かすことができるかうまく伝えなければなりません。

例えば、前職に関して全て記載するより、応募する職に役立てることができるスキルや知識に関して詳細に書く方が良いでしょう。もし前職で大きな成果(売り上げを上げた、重要なプロジェクトを成功させた等)を挙げたなら、ぜひその経験について記載して下さい。

しかし、採用担当者がすぐに必要な情報をすぐに見つけ出すために、守るべきルールがあります。まず一つ目は履歴書を1ページにおさめるということです。多数の経験があり書ききれない場合のみ2ページにします。履歴書はパソコンで作成します。日本とは違い、履歴書は手書きで作成してはいけません。手書きだと読みにくく、採用担当者に嫌がられます。

また、履歴書は嘘の記載をしてはいけません。実際のスキルより誇張して書く人(特に外国語のレベルに関して)がいますが、これは絶対にしてはなりません。履歴書は正直に書くことも大事です。採用担当者はインターネットや以前の職場で履歴書の情報を確認することができることも忘れないで下さい。この観点から、企業に送る履歴書、LinkedIn, Viadeo, Facebook等に載せている日付や情報に一貫性があるように気をつけて作成しましょう。嘘をついていると採用担当者が分かればそこで選考からすぐに外されてしまいます。

これから採用担当者が何を求めているのかをご紹介します。履歴書を書く上で大事な、主な9つのポイントを一緒に見て行きましょう。

1. 基本情報

14

最初は個人の基本情報を書きます。まず氏名、年齢を記載します。年齢が重要となる契約・職業の場合は、生年月日も記載します。外国で企業に応募する場合は、国籍も書くと良いでしょう。必須ではありませんが、いずれにしても面接で聞かれるからです。差別は禁止されていますが、日本人であることで採用担当者の目に留まり、面接に繋がることもあるからです。フランス人が日本人に対して抱いている固定観念に関しても知っておく必要があります。日本人は勤勉で、ルールはしっかり守るが、自立性や柔軟性に欠くというイメージをもたれていることが多いようです。応募する職に合わせ、良い固定観念は残すと同時に、自立性もしっかりと示す必要があります。なぜなら最初から即戦力になることを多くの場合期待されているからです。

また、婚姻に関する情報(未婚、既婚)は記載するのが普通ですが、最近ではこれは私的なことであり、会社には関係ないという考え方が強まっています。とはいえ日本人の場合既婚と書けば、面接で配偶者はフランス人か聞かれる可能性が高いです。フランス人が配偶者の場合は、長くフランスに滞在すると採用担当者に想像させる材料になります。反対に、子供の有無、もしくは今後その予定はあるかという質問はされます。入社後すぐにその予定は無ければ問題ありませんし(もちろん権利はありますが)、プライベートは自由です。最後に、企業によって求められるビザの種類が違うので、滞在許可証の種類は書いておくと良いでしょう。また、労働許可付きの配偶者ビザ所有者は手続きの容易さや、フランスに滞在する期間が長いと想像されやすいことから、有利になりやすいのは事実です。

  1. 氏名、年齢を書く
  2. 生年月日は年齢が重要となる契約、職業の場合記載
  3. 婚姻に関する情報(未婚(célibataire)、既婚(marié))は書くのが一般的
  4. 国籍を書くと良い
  5. ビザの種類を記載する方が良い(いずれにしても面接で聞かれることになる)

2.写真

一般的に、写真は必須ではありませんが、付けることをおすすめします。印象づけるためにも、顔を載せることが有効です。顔と肩まで写った写真を選びましょう。スーツか仕事着(料理人の仕事着等の)を着て写真を撮ります。真面目で毅然とな態度で写真を撮ります。また軽く微笑むと良いでしょう。受付や営業等の場合は、さらに笑顔でも良いでしょう。

なぜいくつかのサイトでは写真を載せる必要はないと書かれているのか不思議に思う人もいるかもしれません。これは外見(どこの出自か)による差別を無くすという目的があります。

3.住所・連絡先

連絡可能なメールアドレスと電話番号を記載する必要があります。アドレスは「名.姓@gmail.com」のような、氏名だけのシンプルなメールアドレスにすることをおすすめします。「jaime.le.fromage.francais@gmail.com」というような、友人同士で使用するようなメールアドレスは避けるようにしましょう。携帯番号は国番号から記載するようにしましょう。フランスの場合は+33、日本の場合は+81です。

留守番電話のメッセージも確認しておきましょう。フランスの携帯の場合、「je ne peux pas vous répondre pour l’instant, veuillez me laisser un message s’il vous plaît(現在電話に出ることが出来ません。御用の方はメッセージを残して下さい。)」というようなメッセージを録音しておくのが良いでしょう。また、現住所に加え、家から応募企業までの通勤時間も書いておくと良いでしょう。

  • 電話番号(携帯電話は国番号から記載)、住所を記載
  • 「名.姓@gmail.com」のような、氏名だけのシンプルなメールアドレスを使用
  • 留守番電話のメッセージを確認しておく
  • 現住所、会社までの通勤時間を記載

4.志望動機

志望動機は必須ではありませんが、書くことをおすすめします。応募者の求めるもの、やる気をアピールすることができます。例えスキルに欠けていても、やる気のある応募者の方がスキルはあるけどもやる気に欠ける応募者より採用される可能性はあります。面接は本人のやる気を確かめるものでもあるので、履歴書の時点でアピールしておくことでその後がスムーズに進みやすくなります。

動機は実現可能であることを記入し、誇張し過ぎないようにします。自分がやりたいと思う仕事やポストにのみ関して動機を書きます。給料や一緒に働くチーム、プロジェクトの種類等の詳細に関しては触れないようにします。志望動機のタイトルに、希望のポストを記載することもできます。

 

5.職歴

5

職歴はおそらく履歴書の中で最も複雑な部分でしょう。過去に多数の職を経験した人もいるかもしれませんが、全てを記載することは不可能です。応募ポストに関係すると思われる職歴のみ記載することが好ましいでしょう。職歴の紹介の仕方は様々ですが、時系列に則って紹介する方法が最も一般的です。時系列で記載する方法は、上から下に、新しいものから古いものというように記載します。一般的には全ての職に関して、次の順番で記載します。

  • 入社日、退職日
  • 期間
  • 会社名、住所
  • ポスト名
  • 仕事内容
  • 得たスキル(必須ではないが、志望動機に記載していない内容の場合ここに書く)

仕事内容に関して記載する際、あまり専門的な内容を書きすぎないようにします。採用担当者は全ては読まないので、必要なことだけを記載し、特に重要な部分は強調(太字やフォントで)します。また、採用担当者が必ずしもあなたの仕事に関して知らない可能性があることも理解しておいて下さい。採用担当者は事前に募集ポストに関してよく知っている人と話し、重要な仕事内容とキーワードだけを記憶していることは多々あります。これらのキーワードを履歴書に書くことが重要です。これらのキーワードは、求人に記載されている専門用語や、募集ポストのタイトル、明示的に要求されているスキル等の可能性が高いです。

  1. 最新の情報から記載
  2. 応募ポストに関係する情報のみ記載
  3. 時系列に書くのが一般的
  4. スキルを強調したい場合、時系列にせず、スキルを中心に職歴を書くことができる
  5. 日本で言う職務経歴書のように、職歴だけに関して記載する書類を別で作成することも可能

しかし、一部の場合においては、募集ポストに対して要求されているスキルを中心に置いて履歴書を書く方法もあります。この場合、以下のように書きます。

  • スキル
  • レベル(資格やコンクールの結果等)
  • スキルをどのように習得したか(企業名、任務等)
  • 職業として該当スキルを使用した期間

このタイプの紹介の仕方は、より自由に書く余地があるため、難易度が高いと言えます。しかしながらこれまでの経験をよりよくアピールすることができ、この書き方をより評価する採用担当者もいます。

特定の求人に対して送る履歴書の場合、そのポストに関連する職歴やスキルしか記載しません。また、専門的なことを書きすぎないように気をつけます。もしくは、もう1枚職歴のみの書類を作成し、これまでのポストで活かしてきたスキルをアピールすることもできます。これはリクルーターに好印象を与えます。反対に、履歴書が複数のリクルーターに送られる場合や、就職サイトに掲載される場合は、希望分野に関連する職歴全部を記載することが重要です。

 

 6.学歴

6

学歴は日本と逆で最近の情報から順に書きます。高校卒業以降取得したディプロムは全て記載し、特に直接応募ポストに関係のある重要なものに関しては太字等で強調します。フランスでは、応募ポストに必要なスキルを既に習得していることが期待されていることをしっかりと理解しておく必要があります。採用担当者がそのポストに必要なスキルを身につけるための教育を受けてきた応募者を選ぶことは明白です。フランスでは、学校名より取得したディプロムの種類の方が大事です。例え東大生でも、そのポストに適したディプロムを持っていなければ、採用されることは難しいでしょう。しかし、これまで得てきたスキルや、高い外国語能力は、他の応募者との違いを出す上で十分に役立てる可能性はあります。

全ての学歴は次のように記載します:

  • 入学日−卒業日
  • 期間
  • 取得したディプロム名
  • 学業を通して得た応募ポストに役立つスキル(ただしあまり長くても採用担当者は読まないので、詳細を書きすぎないように注意する)

全ての学歴を書く必要はありません。採用担当者は興味のある部分しか読みません。また、フランス語は繰り返しを嫌いう言語です。日本の履歴書のように、入学と卒業に分けて同じ学校名を二回書く必要はありません。同じ行に入学・卒業日、ディプロム名、学校名を書きます。

  1. 学歴は最新の情報から順に書く。
  2. 応募ポストに関係ある学歴のみを書く。
  3. 日本のように入学、卒業毎二回同じ学校名を書かない。

7.スキル

7

ここではどのようなスキルがあるか採用担当者にすぐに分かってもらうことが大事なので、スキルの詳細は書かず、学業や仕事で得てきたスキルを箇条書きします。自分が最も活かしたいスキル、または採用担当者に最も求められているスキルから書くことをおすすめします。

8.言語能力

8

言語能力に関しては、分かりやすく以下のように記載します。

  • 言語
  • レベル
  • 証明書(例:TOEIC, TOEFL, BULAT, DALF, DELF, JLPT等)
  • 海外経験(必須ではない)

海外経験は常に採用担当者にプラスの印象を与えます。言語を操るだけでなく、広い理解力や、新しい環境に適応する力があることを示すことができます。

9.活動

この部分は必須ではありませんが、仕事以外の活動に関して記載することができます(アソシエーションへの参加、個人のプロジェクト等)。また、これは仕事に役立てることが出来る個人のスキルや資質(プロジェクトの運営能力や、企画力等)をアピールできます。

ここではスポーツに関して記載することもおすすめします。個人スポーツは努力する力を、集団スポーツは協調性を想起させます。ただし、テニスやサッカー等、スポーツ名のみを箇条書きにすると、テレビ観戦が好きと勘違いされ、プラスの印象を与えない場合があるので、これは避けます。

 

ではさっそく皆さんも履歴書を作成してみましょう。

テンプレートのダウンロードはこちらから。